本を読んだり読まなかったり
小説に関して、僕は村上春樹の良い読者とは言えない。氏のエッセイのたぐいなら、ほぼ全部目を通していると思う(読んでいないのは『シドニー!』ぐらいしか思いつけない)。なので、文庫化された『騎士団長殺し』を、買っておいたハードカバーの第1巻で毎…
2019年(令和元年)5月19日 日曜日。54にして初めて、神田神保町を二時間近く歩いた。東京に来てはじめて、好きになれそうな街だった。そのことを少し、地下鉄神保町駅そばのドトール2階喫煙室で書きはじめる。 朝10時はまだ古書店はどこも開いていない。最初…
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/04/12メディア: ハードカバー クリック: 3,074回この商品を含むブログ (334件) を見る おとつい金曜日、村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡…
考える生き方作者: finalvent出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2013/02/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 16人 クリック: 1,504回この商品を含むブログ (48件) を見る「極東ブログ」「finalventの日記」でおなじみの…おなじみじゃないかしら…
近頃とんと雑誌は買わなくなったかわりに津田大介氏や山本一郎氏のメルマガを楽しく読んでいる私。などと体言止めを多用するのは文章の品位を落とすので控えるべきだと何度言ったらわかるのか。さてそこで山本一郎氏である。最近はイケダハヤト氏とのイベン…
ペコロスの母に会いに行く作者: 岡野雄一出版社/メーカー: 西日本新聞社発売日: 2012/07/07メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 52回この商品を含むブログ (66件) を見る まず表紙の絵がかわいい、車椅子のおばあちゃんがかわいい。この絵の本当の意味は中…
自分で自由に本屋へ行けるようになった学生の頃から雑誌が好きで、"Rockin' on"や"宝島30"、同朋社の "WIRED 日本版" に ”本とコンピューター” や"考える人" と買い続けて来たが、ここ最近は「考える人」の特集テーマ(特に音楽の特集号)によって買うぐらい…
今でも、文庫本を作家順に並べるのを認めてはいないし、そしてやっぱり、欲しい本に限って書棚にない*1のを許した訳でもないが、それでもコーチャンフォー北見店には感謝している。こうして書籍を贖った後ドトールで微睡むことが出来るのも(喫煙室は静かで…
おはよう。この前は食事につきあってくれてありがとう。メールにも書いたけど、最近やっと本を読むことが出来たよ。ここしばらくはどの本を読んでも気が散ってね、読み続けられなかったんだけど、今回は大丈夫だったみたい。日本辺境論 (新潮新書)作者: 内田…
市図書館をTSUTAYAに指定管理委託、図書カードをすべてTカード化、本を借りたらTポイントをつける…といったサービス? をUSTREAMで発表した九州は武雄市・樋渡市長の件ですが、その後いったいどうなったんでしょう。「え、そんな図書館サービス、悪くないじ…
いまステサンこと「Stereo Sound」は面白い、昔のことは知らないが。ついに最新号の2011年冬号(No.177)では御大・菅野沖彦氏が誌面から退かれ、毎年恒例のグランプリにも小さくない変化が生じた。*1御大があれほど毛嫌いしていたデジタルファイル・ミュージ…
通して最後までちゃんと聞けたのは「ノー・ベター・ザン・ディス」と「青春ミラー(キミを想う長い午後)」ぐらい、本は「さよならもいわずに (ビームコミックス)」を読み終えたぐらいで他はみな中途半端だ。年の初めに表紙のデザインに魅かれて買った初めての…
田川建三について、Wikipediaにはこのように紹介されている。 田川建三(たがわ けんぞう、1935年 - )は、日本の新約聖書学者、著述家。宗教批判を通じて現代批判を試みた著作でも知られる。「神を信じないクリスチャン」を名乗る。1935年東京生まれ。聖学…
土日を休日として過ごせるのは素晴しい、とは前にも書いた。ずいぶん前にシフト制で勤務していた時は月曜日しか固定の休日がなかったから(しかも別件で職場に出る事も多かった)、仕事と休みのリズムをうまくつかむ事が出来ないままあえなく異動となった。…
夕方、久しぶりに図書館へ行った。合併する前は隣町だった方の図書館である。近所の図書館は元職場ということもあるから、隣町の図書館の書棚や蔵書の方が新鮮に見える。 使いきれない札束を懐に、見知らぬ書店の書棚を見回すような気分になって、目に飛び込…
ユダヤ人は「すでに名指され」「すでに呼びかけられたもの」という資格において(レヴィナスの術語を借りていえば「始原の遅れ」を引きずって)はじめて歴史に登場する。 そのつどすでに遅れて登場するもの。 この規定がユダヤ人の本質をおそらくはどのよう…
ちょっと気の利いた新書だった。若者殺しの時代 (講談社現代新書)作者: 堀井憲一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/04/19メディア: 新書購入: 15人 クリック: 382回この商品を含むブログ (200件) を見る昭和の高度成長が目指していた「豊かさ」とは「貧…
そういえば、ついに彼の本を読んだのだった。悲望作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/08メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 25回この商品を含むブログ (33件) を見る片恋のことなど色々と思い出して、久しぶりに読書をしたという気持ちに…
レコードはまっすぐに―あるプロデューサーの回想作者: ジョンカルショー,山崎浩太郎出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2005/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (11件) を見るオーディオの知識注入のために購入、何とか読…
最近料理本ばっかり読んでる。下に紹介する本がそうなのだけど、どれも見ているだけで愉しいし、読むと作れそうな気がしてくる。特に上の二冊はどちらも同じ作者(タカコ・半沢・メロジー)で同じ出版社(オレンジ・ページ)というのは、図書館で「素パスタ…
今年はもう本は買わない、大体読んでない本が部屋に溜まっているんだから…と心に決めたそばから買ってしまった本、そしてCDは次の通り。ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/11/06…
しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ)作者: ガース・ウイリアムズ,まつおかきょうこ出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1965/06/01メディア: 大型本購入: 36人 クリック: 519回この商品を含むブログ (135件) を見るたぶん誰もが一度は誰かに…
と書くとかなり牧歌的な印象を与えるかも知れないが、まあいいではないか。言いたい事はようするに「雑誌とは、あらゆる人が出会う場所である」ということである。 今まで読んできた中で、自分にとって面白かった雑誌を上げれば「ロッキング・オン」「Wired…
たとえば、こんな女性の詩に、俺はめろめろしてしまう。 わたしが一番きれいだったとき(茨木のり子) わたしが一番きれいだったとき 街々はがらがら崩れていって とんでもないところから 青空なんかが見えたりした わたしが一番きれいだったとき まわりの人…
げんしけん(1) (アフタヌーンKC)作者: 木尾士目出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/12/18メディア: コミック購入: 3人 クリック: 208回この商品を含むブログ (391件) を見る大野さんのフィギュア萌えから始まって、マンガ好きの元同僚から全巻借りた「げん…
「夏彦の写真コラム」傑作選〈1〉 (新潮文庫)作者: 山本夏彦,藤原正彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/02/28メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (25件) を見るThe best of Natsuhiko-Yamamotoである、ようするに。たまたま今さ…
俺が“別冊和田博巳”と心の中で揶揄(笑)しているステサン別冊の"Beat sound (No.7(2006)) (別冊ステレオサウンド)"が最近出た。もう7号目になったのか…ここに来てやっと、やっと表紙が落ち着いた。この雑誌はずーっと表紙が右往左往し続けていて、落ち着かな…
孤独であるためのレッスン (NHKブックス)作者: 諸富祥彦出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2001/10/30メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 42回この商品を含むブログ (29件) を見る北見の福村書店で立ち読みしたこの本の中に「他人とはわか…
私家版・ユダヤ文化論 (文春新書)作者: 内田樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/07/01メディア: 新書購入: 11人 クリック: 169回この商品を含むブログ (176件) を見る内田樹の文章を読んでいて思うのは、思考の論理展開が橋本治にそっくりだという事で…
もう一度「モーツァルトを聴く人―谷川俊太郎詩集」を聴き直そう。すると、またあの美しいピアノソナタ第11番が流れてきて、その後にこんな「詩」が谷川俊太郎本人によって朗読される。 騒がしい友達が帰った夜おそく食卓の上で何か書こうとして 三十年あま…