日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

TANNOY"Glenair"プチ試聴

実はその値付けにけちをつけたTANNOY製のミニ・スピーカー"Autograph mini"と、先に書いた"Anat Reference Main Module"を聴いて以来、いわゆる同軸系スピーカーに淡い恋心を抱いているhirofmixである。試聴ポイントにはまった時の抜群の定位感、音の広がりには抗し難い魅力がある。そこで、などと前振りしなくても時間があれば毎回来札の折りには行っているオーディオショップ「CANVIN大阪屋」四階試聴室に足を運ぶと、おお麗しのTANNOY製新製品"Glenair"があるではないか。惣流・アスカ・ラングレーならずとも“チャーンス”と言いたいところだが、どう考えてもいま買う予定のないこの身、試聴をお願いするには気が引けていたところ、先に居た客が"Glenair"試聴をリクエスト。黒のバッグに試聴用のCDまで持参して買う気まんまんの先客がとり出した試聴用CDが、これまた俺も持っているセルニアス・モンクの「モンクス・ミュージック+2」ではないか(おれのはSACDだけどね)。そこで唐突に試聴会は始まるのであった。
管楽器の鳴りっぷりがいい。テレビでいうと、画面中央にプレーヤーが跳び出してくるような鮮やかさである。ピアノの音もうちのminipodと比べると(大きさ的に比べるのが間違えているとか言わないように)やけに明るい。高音に、音の響きよりも打鍵の金属感を強く感じる鳴り方だ。ただし各楽器の発する低域はお団子状態で、特にベース音はそこだけ音量を下げたかの如き淋しさである。この低域の問題はタンノイによく聞く話ではあるし、しかも"Glenair"はタンノイ製の特徴とも言えるバックロードがない(確か)せいか、やはり物足りなさを感じてしまう。
総評すると、リビングなんかで聴き流しなんかするとかなり愉しい気分にしてくれそうなスピーカーではある。スピーカーに対峙して音楽を聴くなんて野暮な事を"Glenair"には求めず、良い椅子にでも腰を下ろして音に身をひたすべきのスピーカーだと感じた。
ちなみにその先客だが(たぶん20代後半か30代前半)、タワレコでもすれ違った。何だか…