日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

言葉もなく、ただ見ているだけ

さよならを言われたね 君は 初めて
しあわせ いつまで続くか ちょっと心配だった


それは激しく去っていった 穴の空いた心が転がっている


気高さだけ 捨てないで 夢に空く穴に 堕ちないで
1パーセントは 好きだから


昔から眺めてた 君が 変わった
若さが いつまで続くか ちょっと心配だった


君は激しく生きはじめた 愛のない恋と横たわっている


気高さだけ 捨てないで 夢に空く穴に 堕ちないで
1パーセントは 好きだから


嘘をついたり 肩を抱かれたり
泣いたりしたり するのもいいけど


何訊いても 言わないね 何を言っても 聞かないね
1パーセントの ともだちに


気高さだけ 捨てないで 夢に空く穴に 堕ちないで
100パーセント 好きだから

ヘタレな男のラブソングとして、これほどの名曲はまたとない。個人的には高橋幸宏が歌うと甘すぎて、聞いてる側としては身の置場に困るのだが(ユキヒロだと、ちょっとカッコよすぎるのである)、やはりここは作詞の鈴木慶一*1がギター一本で歌う駄目駄目感を感じ取っていただきたい。
中年が射程距離に入った女と、その女をずっと愛し続けている(そして絶対にその愛を打ち明けない)男の歌である。失われていく若さを証明しようと試みる女を、男はずっと眺めている。それが周囲にどんな嵐を巻き起こしているかも見ているし、男自身がどれだけ傷ついているのかも想像するに余りある。
それでも彼は眺めているしかない。彼は女の友達でしかない。「何訊いても 言わないね 何を言っても 聞かないね」という「1パーセントの ともだち」が何を云っても、彼女の耳に入ることはないだろう。彼の返事に応えることもないだろう。
キレイな女というのは、大概感謝知らずの女である。好きになったのが悪い、と彼もまたわかっているのである。そういう心持ちの男が最後に「100%好きだから」というのはかなり切ない。1%だろうと100%だろうと、女には関係のない話なのだし、男だって知っている。

*1:しかし鈴木慶一丸谷才一って目元のところがやたら似ている。