日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

劇的ビフォア・アフター


何故予定外だったのかと云うと、風邪の直り切らない先日の土曜日夕方、すでに一度顔を出していたからである。何もアンプ一つ買う訳でもなく、そう毎日行ってもしょうがないのである。考えてみれば店員だってどんな顔して会えばいいと云うのだ。
ただ、自分が手に入れたその時々のCDを持ち込んで、店長店員小生ともども店内のシステムで試聴してみる、これが私のヤマデン訪問パターンとなっている。そういう歴史的経緯がある。にも関わらず昨日は手ぶらで行ってしまった。そして今、車の助手席には買ったばかりのエイミー・マンのCDがある……行かなくてはなるまい。等とようするにただ行きたいだけなんだが、ここまで自分に言い訳を与え、ようやく土日連チャンヤマデン訪問を決めて臨んだのである。
まぁ、そこまでは良かった。
持ち込んだエイミー・マンを最初に聴かせていただいたシステムの組み合わせは、わたしが最近ご執心のアキュフェーズ製プリメインアンプ"E-408"に、これまたアキュフェーズの最新CD Player"DP-57"(標準価格294,000円)、スピーカーは自分のと同じminipodである。
……んー、キレイな音だ。さすがはアキュフェーズ、今どき新製品にも関わらず、SACDとの併用ではなくCDのみのこのプレイヤーをラインナップしただけあって、それなりにいい音は出してくる。でも、この組み合わせならばもっといい音がしていいんじゃないのか? 前予想以上の音が出て来ていない。何か音全体にもっとガッツがほしいんだよなぁ……等と素人なりに判断して、物は試しにとばかり、次はDP-57の隣にあった中古5万円台のなんとDVDプレーヤー(確かsony製)で聴いてみた。
……アレ、さっきより音いいじゃない? 音がちゃんと太くなったじゃないか。なーるほどね、値段→性能の高い製品を組み合わせたからと云って、必ずしもそれで“いい音”が鳴るって訳じゃない訳だねウンウンなるほど、やはりステレオはシステム全体で考えねば……等とひとりオーディオ評論家状態で悦に入っていたのである私は。
ごめんなさい長岡先生、私が身の程知らずでした。
最初のアキュフェーズ製プリメインアンプ+CDプレーヤーの音に納得出来なかったのは、店員タカボン氏も同じだったのだろう。ここに来ていそいそと持ちだして来たのが当方の想定外だったスピーカースタンド。何でもJM-Lab製のセンタースピーカー(後で調べたら"Electora"シリーズ中のセンタースピーカー"CC901"だった)用に作られたスタンドで、通常センタースピーカー1台に1台でいいんだが、もし売れ残ったらヤダなっていうんでもう1台追加注文していたのだそうである。で、それじゃ試しにとこいつにminipodを乗せて(三本の足ことスプートニクススパイクを外して)、プレーヤーは中古5万円のまま再度試聴。


腰が砕けた。
音が全然違うよママン!!


もしかしたら……と、再度アキュフェーズのE-408 & DP-57でトライ。


ああもうすげえ音がいいよママン!!


「……これ、いくらなの?」「39,900円ってとこでどう?」「2台で?」「2台で」


「……とりあえず支払いは何とかするから……買うわ「ありがとうござーい♪」


私もこの値段が12、3万円だとか云われたら買いませんでしたよええ(言い訳)。でも2台で4万円なんてスピーカースタンド、もし単体商品だったらバーゲン以外ありえない金額ですからねあの業界の相場だと(言い訳)。そう何度もまた自らに言い訳を上乗せしてですね、さっそく自宅で組んでみましたわ。セッティングもそこそこにエイミー・マンのCDは当然として、他のCDも何枚も取りだして聴いてみましたよ。


どうだったかって?
……参りましたよ。
参りましたよええ。
参りましたっ!(誰に対して憤っているのか)
どのCDからも「そもそもこーいう音が収められていたんだ…」という音が出て参りましたよ。
その豹変した音に「俺は今まで何を聴いて悦に入っていたのだ」と圧倒されまくりですよ。大体常識的に考えて変わるか普通ここまで。
低音は締まるわ音のつながりは良くなるわ、細部の音までしっかり聞こえてくるわ各音の位置がクリアになるわ、鬼のように録音の質の良し悪しがはっきりするわ全体的に音が前に出て来るわ、ほとんどスピーカー買い替えたぐらいの激変と云っても過言じゃないですよ。たかがスタンドに変えただけなのに。
これからシステム更新していったら、いったいどんな音が出てくるようになるんだ一体。
恐るべしスピーカースタンドである。恐るべしピュアオーディオ、である。


泥沼に、また一歩、踏み込んだ事だけは間違いのない、そんな日曜日なのだった。