日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

オーディオマニアになれなくて


 ひょんなことから、スピーカーとアンプ、そしてレコードプレーヤーを手に入れた。
 ずっと物置にでも仕舞われていたのか、どれも堆積した埃の匂いと褐色の汚れをまとっている。メーカーを調べると、スピーカーとレコードプレーヤーには「BROTHER」のロゴが記されている。ブラザー……? ウェブ上で確実な証拠を見つけることは出来なかったけれど、どうやらミシンとファクシミリで有名なブラザー工業製のようだ。もしかしするとブラザーのオリジナルではなく、どこかのOEM製だったのかも知れない。ご存知の方がいれば教えていただきたい、謝礼はないけど。
 さてアンプの方はSONYのTA-F5というソリッドステートのインテグレーテッド・アンプ。70年代のオーディオブーム華やかなりし頃、オーディオ少年たちの憧れを集めた名機だったらしい。しかし名機とはいっても Accuphase などとは違い、ヤフオクで1,000円程度で買えてしまうのがやや心痛む話ではある。とはいえこちらの方のように修理の心得のある方にとってはまたとないオモチャのようだ。つくづくこういった方には尊敬の念を抱かずにはいられない。
 譲っていただいたのは良いが高額で売れる訳もなく、さてどうしよう……それに大体、音、出るのかな……?
 開腹はしなかったが表面の脂くさい汚れを落とし(タオル一枚駄目にした)、とりあえず iPod Touch のヘッドフォン端子からAUXに繋いで確認してみた。
 お、出る…ちゃんと出る。最初はさすがにガリが出てうるさかったが、通電をしてしばらくすると、そういった異音はほぼ出なくなった。それに……結構「いい音」じゃないか。それなら居間にでも置いておこうか……と、結果写真のようにオーディオ好きとは思えないセッティングの配置となった。*1
 せっかく音が出るのに何をいいかげんな扱い方しているの、とオーディオ好きを自任する「僕」が時に責め立てるが、音楽好きラジオ好き(これでradikoネットラジオ、それにポッドキャストを聞いている)の「俺」が勝利を収めて今朝に至っている。まあ「音楽好き」よりも「怠け者」の「俺」が勝利したというのが実態だが……でも正直、このいい加減な置き方・楽しみ方がちょっと気に入っている。古いジャズの演奏なんか流れ出すと結構心ときめくものがある。レッド・ツェッペリンみたいな60〜70年代のロックも、もしかしたらグッと来る音で聴かせてくれるのじゃないか……などと妄想してみるのも楽しい。そんな訳で和田博巳先生、朝からごめんなさい。

*1:ちなみに写真のレコードプレーヤーは以前実家から持ってきていたLo-Dのそれである。