日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

しあわせはあったかい子犬

スヌーピーのしあわせは…あったかい子犬 ”(Happiness is a Warm Puppy)

スヌーピーのしあわせは…あったかい子犬 ”(Happiness is a Warm Puppy)


おれが小学、中学生だった頃は、土曜日とか日曜日によくNHKスヌーピーのアニメをやっていた。おれん時のチャーリー・ブラウンの声は谷啓で、うつみ宮土里がルーシーでライナスは野沢那智だったと思う。でも一番好きだったのはペパーミント・パティで、ちょっと姉御風を吹かしてるところがお気に入りだった。彼女を「先生」と呼ぶマーシーも好きだったな、この二人が好きな男の子がチャーチー・ブラウンっていうのも、何だか可笑しい。
最近うちの図書館はおれが離れてから妙に面白い本を入れている気がしてならない……何だか少し悲しいんだけど、この本もその図書館で見つけた一冊で、しみじみと読んでしまった。


今は知らないけれど、おれが最初に読んだスヌーピー角川書店から出ていたペーパーバックサイズのもので、英文が併記されていた。今は亡き、移転前の福村書店二階の教科書参考書コーナーに置いてあって(この頃スヌーピーの本を読むのはどっかで英語の学習につながっていたんだと思う)、訳はもちろん谷川俊太郎。この本にのっているのも谷川俊太郎の訳だ。
見開きの左ページに英文と和訳、右ページにスヌーピーたちの絵が描かれている。
「しあわせは自分がだれかわかっていること」
 Happiness is knowing who you are.
「しあわせははだしで草を歩くこと」
 Happiness is walking in the grass in your bare feet.
「しあわせは新しい自転車」
 Happiness is new bicycle.
「しあわせはあったかい子犬」
 Happiness is warm puppy.


スヌーピーはずーっとそうだったけれど、どう考えても子ども向きのマンガじゃない。そこに描かれているのは、ヒーローでもヒロインでもない子どもたちの、平穏な毎日の出来事である。たまさか訪れる冒険もラブストーリーも、いつも「ちょっとした」という定冠詞が被らされている。
それは子どもたちを観察して描いた世界というより、大人たちの中にあるそれぞれの子どもを描いた世界に思える。いやもちろん彼らは子どもだった自分の隣人ではあったし、子どもというのは時おり大人以上に大人なのだけど、彼らはいつもノスタルジーという画布に描かれていた。そのせいかどうか、スヌーピーの世界はいつも秋の匂いがする。
いつもバックに流れていたジャズも好きだった。

ヒアズ・トゥ・ユー・チャーリー・ブラウン&スヌーピー?50グレイト・イヤーズ!

ヒアズ・トゥ・ユー・チャーリー・ブラウン&スヌーピー?50グレイト・イヤーズ!


このアルバムの一曲目「ライナス・アンド・ルーシー」を聴くと、目覚めの良い朝のようにわくわくしてくる。あともう一枚持ってるのが

ライナス&ルーシー ?ザ・ミュージック・オブ・ヴィンス・ガラルディ

ライナス&ルーシー ?ザ・ミュージック・オブ・ヴィンス・ガラルディ


「しあわせはあったかい子犬」という言葉を読んで、ちょっと胸の中で泣いたかも知れない。子犬を飼ったことをある人になら、わかってくれるかも知れないけれど。