日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

それはAccuphaseのE-408である

hirofmix2005-04-09

検査入院中の父親が外泊するというので、母親と病院まで迎えに行った。帰りに買物なんかして、実家に送り届けてひと休み。さて、家族に対するささやかな労働奉仕を終えて午後三時すぎ、後は久々の北見での休日である。最近出無精傾向が高まっているせいで、車で1時間程度の北見でさえ、こうした「それなりの理由」がないとなかなか出て行かないのだ。
北見に来た以上、寄らなければならない場所ランキングのトップは常にオーディオショップの「YAMADEN」である。この店に立ち寄る際の問題点は、他の“寄らなければならない場所”へ行く時間が著しく減少してしまう事である。
そして今日もそうだった。
前から気になっていた事があったから、である。
 
Accuphase E-408 Integrated stereo amplifierである。
希望小売価格400,000万円(税別)である。
前回来た時に、うちと同じスピーカーのminipodを確か同じAccuphaseのE-307で鳴らしてもらったのだが、音の抜けの良さと隠(こも)らずに響く低音にかなりショックを受けたのだ。うちのminipodがこんな風に鳴るなんて。で、その音を再度確認すべく、店員のマックマニア:タカボン氏に試聴を所望したのだ。ちなみに試聴盤はマリア・ヒタの"Maria Rita"である。
ああ!
もういい!
すごくいい!
あれこれ考えるまでもなく、最初の音が鳴った瞬間にすべて理解した。
そもそも冷静に考えれば、非力なうちの真空管アンプと比較するのが間違いなのはわかるのだが、目の前で自分のものと同じスピーカーが朗々と鳴っているのを聴かされると、そういった客観性など脳内メモリからふっとんでしまうのだ。
各楽器の音やSEがくっきり聞こえる。ベースの音がこもらずに響く。こういう音なんだろうな、という音が気持ち良く流れてくる。余計な色づけや癖のない音を出すアンプと言えるかもしれない。どちらかといえばモニターライクな音が好ましい僕の希望にかなり添っている。
この曲のヴォーカルは冒頭、全体の音に包まれる感じの、ややくぐもったニュアンスで流れてくるのだが、その後にはじけるようにして声が前面に飛び出してくる。それはコンサートで、緞帳の下りたままイントロが流れはじめ、ふいのマリア・ヒタの声とともに緞帳が上がりスポットライトがあたる…そんな演出効果を音で表現しているような感じだ。
E-408だとこの演出効果がくっきりはっきり胸にまで伝わってくるのだが、今のうちのシステムだと緞帳はあがってるのに紗幕がかかってるみたいなはがゆさを感じてしまうのだ。
実はこの後、これ以上に良いシステムを聴かせてもらったのである。プリアンプは確かチェロ、パワーアンプはジェフ・ローランド、プレーヤーがエソテリック、DAコンバータがワディア、スピーカーはPMCという無根拠に最強のオーディオシステムで同じマリア・ヒタを聴かせてもらったり、あまつさえAccuphaseヴォイシングイコライザーDG-38まで加えて聴かせてもらったのである。にもかかわらず、minipod+Accuphase E-408の方が良く聞こえてしまうのである。
まずい。しばらく様子見をしなくては。
そりゃ高いシステムで聴く音が必ずしも良い音という事はないのだろうけど、それにしてもだ、それにしてもここまで来ると、自分の耳自体を疑う余地が出てきた。ほとんどE-408にとらわれたとしかいいようがない。
とりあえず、E-408のカタログをもらって帰る事にした。
 
ボーナス併用で2年で買えるかな………そう考え出している自分を、どうすればいいのかわからないのである。