メランコリィの森へ(#2)
(寝不足で疲れているのだ)
「あなたを喜ばせたい」
元気ですか。
ひとり暮らしは淋しくはないですか。
淋しいと思えないほど忙しい毎日をすごしているのなら、
それはやっぱり幸せなこと。
今さらあなたに言うことはない。わたしは
ことさら身勝手な思い出の中のあなたに
話しかけているのだ。
結局は、うしろ姿の
あなたの影に向けて。
わたしはあなたを見失って、わたし自身も見失った。そして、
わたしがわたし自身を見失ったまま、今まで生きてきた事に気がついた。
わたしの人生の真ん中にあなたがいる、あなたはそのための人だと
そう思いこんで生きてきたけど、
そんなことを頼むのが、そもそもの間違えだったの。
ただ 誰のためでもなく
いつかあなたと会えたなら、あなたを喜ばせたい。
いつかふたりが笑いあったように。
それで、ふたりの営みをまた
始めようという訳じゃないけれど。
(寝不足で疲れているのだよ)