日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

言い忘れていたが

 前回の記事でも紹介したビーチボーイズの名曲「God Only Knows」だが、村上春樹が著作「村上ラジオ」で訳詞を書いている。繰り返しになるけれど、良い歌詞なので再度紹介させていただきたい。

God only knows
Brian Wilson & Tony Asher)
I may not always love you
But long as there are stars above you
You never need to doubt it
I'll make you so sure about it
God only knows what I'd be without you
If you should ever leave me
Though life would still go on believe me
The world could show nothing to me
So what good would living do me?
God only knows what I'd be without you
God only knows what I'd be without you


神さましか知らない
(訳・村上春樹
いかなるときにも君を愛するとは,言い切れないかもね。
でも見上げる空に星があるかぎり、
僕の想いを疑う必要はないんだよ。
時がくれば、君にもそれがわかるだろう。
君のいない僕の人生がどんなものか、それは神さましか知らない。

もし君がどこかに去っても
人生はつづくかもね。でもそれでは、
この世界が僕に示せるものなど何ひとつない。
そんな人生に,なんの値うちがあるだろう。
君のいない僕の人生がどんなものか、それは神さましか知らない。

君のいない僕の人生がどんなものか、
それは神さましか知らない。

 これはまあラブソングなのだけれど、ただひとこと「愛してる」と言いかえられるような曲ではない。特に2番目の歌詞の言わんとするところをわからない人とは、珈琲を囲んで愛と人生を語り合えるとは思えない。*1

 あなたが、ただあなたであることの不思議。あなたを通じてふれるこの世界の広がり。もしあなたが僕の前から失われるのなら、それは住みなれたこの世界を失うことに他ならないのに、今も目の前に変わらない世界がある……君のいない僕の人生がどんなものか、それは神様しか知らない(ねえ、もしかしたら、神様だって知りはしないぜ)。

*1:大丈夫、そもそもそんな機会はなかなかないから心配しなくていい。