日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

父のおかげで音楽生活

先週のとある朝、7時ほぼジャストに父親からの電話が鳴る。嫌な予感がしたがそれはやはり的中した。何度消してもすぐにパソコンの画面にウィンドが浮かび上がってくる、そしてウィンドは「早く動画サイト登録料を支払いなさい」と言い募るのだと云う。もう何をやってるんだいったい。ジャンクメールのURLをクリックした結果だと父は云う。何やってるんだいったい。親子の血を感じずにはいられない瞬間である。最初ブラクラだと思ったがそうではないらしい、ジャバスク切ってバイオを再起動してもまた窓が浮かぶのだと。仕方がない、その日は勤務終了後すぐ実家へ帰ることにした。
もう正月以来実家に帰っていなかったから、北見に来るのはやたら久しぶりだ。まっすぐ実家へ戻らずにポスフールへ行ったのは、芝居絡みでCDを買わなくてはならないせいもあった。

シベリウス:交響曲第2番

シベリウス:交響曲第2番

シベリウス交響曲第2番と交響詩フィンランディア」を芝居に使いたい、と演出が持参してきたのは、カラヤン指揮・ベルリン交響楽団のレコードだった。盤面はきれいなのだが残念なことに縦線の傷が入っている。しかもそもそも音響係のレコードプレーヤーが実際動くのかどうかも定かではない。仕方がないのでCDを用意することになった訳である。買った次の日にこいつを聴きながら練習前の柔軟体操をしたのだが、交響詩フィンランディア」はさすがに盛り上がる。しかしまだ通して聴いてないので判断は保留中。
リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ

リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ

ジョニ・ミッチェルのトリビュートアルバムであるこの作品は、かなり丁寧に作られたことが音からよく伝わってくる。参加しているヴォーカル陣もノラ・ジョーンズレナード・コーエンティナ・ターナーとグッとくる面々なのだが、特に俺としてはコリーヌ・ベイリー・レイの歌う表題作"River"が今のところ良い感じ。グラミー賞を受賞したのも手伝って思わずアルバム購入と相成ったのだが、最後の決め手はウェイン・ショーターが参加していたからである。最近ショーターの『ビヨンド・ザ・サウンド・バリアー』を聴き直して、以前にましてそのソリッドな音に心魅かれていたのだ。こういうちょっとした偶然は大事にしないといけない。
愛の挨拶?イギリスの優しき調べ/デイヴィス

愛の挨拶?イギリスの優しき調べ/デイヴィス

久々のジャケ買いが吉と出たアルバム。そもそもイギリスが嫌いじゃないところに「優しい旋律、柔らかい響き。ポエティックな音による水彩画集」というコピーと、朝靄に煙るそのジャケットが購買意欲をそそった。しかも曲のほとんどが今の自分に寄り添ってくれるような優しい音だったりするから文句はない、今もこの文章を書きながら聞いている。
エルガーの「エニグマ変奏曲」「愛の挨拶」が入っているのも嬉しかったが、冒頭2曲のディーリアスの作品「春初めてのカッコウを聞いて」「河の上の夏の夜」がいかにも佳曲で素晴らしいです。
そんなCDを持参して芝居の練習に行ったら、最近よくジャズを勉強したい勉強したい勉強したいのと宣う劇団員のひとりが、前に貸してくれるといったCDを持ってきてくれた。
LUPIN THE THIRD「JAZZ」

LUPIN THE THIRD「JAZZ」

前から聴いてみたかったアルバムの一枚。スムーズ・ジャズ的な音を予想していたのだが、流れ出したのはいかにもオーソドックスな、ジャズの文法にのっとったピアノトリオ+αの演奏だった。ジャケットに記された"STEREO"という文字も嬉しいし、その下にあるレコード番号とあわせて丁度ブルーノートの音符マークを上下入れ替えたデザインになっているのも、小技ながら嬉しい。
何度か耳にしたことのあるルパン三世の曲を派手さのない渋いアレンジでまとめたのは、出せば売れるだろうアニメソングもの、その企画と背景に阿らない大野雄二の気概なのかも知れない。
ミスティ K

ミスティ K

こちらも一度聴いてみたかったジャズ・シンガー小林佳の一枚。甘いわ〜。これはうっとりする婦女子も多かろう。俺もこの顔でこの声質ならこんな風に甘く歌って婦女子を何とかしたいと思う。というか、聴き手としてはそれほどジャズ、ジャズ、ジャズ!と意識しなくても楽しめる仕上がりになっている。
でもねお嬢さん、同じ男性ジャズシンガーなら、最近はこいつもいいですぜ。
キャッチング・テイルズ(3ヶ月or5万枚限定特別価格)

キャッチング・テイルズ(3ヶ月or5万枚限定特別価格)

っていうか俺もこれほど繰り返し聴くようになるとは思わずに買ったジェイミー・カラム。1曲目がいいですねえ。まぁこのアルバムだって「ジャズか?」って言われたら「まぁそんなこと気にしないでいいからまあ聴け」と云うしかないのだが、その口ざわりは小林佳ほどには甘くない。そこが洋楽ポップス好きのおじさんには好ましい。