日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

何かを忘れて、また思い出しては

今日は午後少しだけ職場に出たけれど、土曜日は一日家で洗濯をしたし、少しだけだったが部屋の片づけも出来た。部屋が片づきだすと、それまでの自分がどれほどバランスを欠いた暮らしをしていたのかに気づかされて、また以前にも味わった後悔が胸の内にじんわりとしみ込んでくる。そしてその後悔もやがて洗濯やら部屋の掃除やら皿洗いの内に忘れられていく。
しかし洗濯や掃除に費やされるばかりの一日でも、休日がこんなに素晴らしいということに、5年前の俺は気づいていなかった。歳を重ねるのは確かに悪いことばかりではない。と云うか、多少良いところがないと困る。禍福は糾える縄のごとしとはうまいことを云う、歳をとることの大半は気を重くすることばかりだが、若い頃よりは胸の内の苦い思いを忘れやすくなったのは、やはり歳を重ねたことがもたらす良きことにの一つだろう。繰返さざるを得ない雑務も手をつければそれなりに楽しくなってくるし、その内に嫌なことを素早く忘れさせてくれる。忘れて、雑務に追われている内に、日常の時間と自分のリズムがだんだんと同調して来れば、少しは先の希望を自分に課してもいいよな、という健全な考えも生じてくる。そしてそれをまた忘れて、また思い出しては、残り少ない日々はすぎていく。「残り少ない」だなんて、露とも思わない内に。