日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

はじめてのジャズ

俺のまわりで日常的にジャズを聴く人間は多くない(たぶん薬師氏ぐらいだ。最近会ってませんな)。俺が高校生ぐらいの頃には、例えばロックやポップスよりもジャズの方が高尚だ、という気分が残っていて、音楽や小説にもまだヒエラルキー(階層)が残っていた。「いいものはいい」という、至極まっとうで、ひどく身もふたもない平坦な思想がデフォルトとなるには80年代初頭はまだ早すぎた。
そういう時代に高校生だったものだから、いずれはジャズを聴きたいな…という憧れにも似た気分は二十代、三十代をすぎても残っていた。そしてスピーカーやアンプを買い替えたぐらいから、ぽちぽちとジャズを聴くようになった。
実際、生楽器の演奏が多く、ほとんどがスタジオライブ一発録りのアルバムが多いジャズを楽しむには、ある程度の質を備えたオーディオ機器が必須だったりするのだけど、それよりも丁度この時期の俺がロックを聴き飽きていたという事情も、ジャズにシフトした大きな理由だった。歌詞や発言がアーティストの主張であり“生き様”である、みたいなロッキング・オン的ロックの世界(というかロック周辺の有り様)にほとほと疲れていたのだ。そんな考えすぎな当時の俺にとって、ほぼ「芸能」と言っちゃっていいような音楽に思えたジャズは、肩ひじ張らずに気楽に聴けて、精神衛生上非常に好ましかった。

そういう経過を経て最近は「音楽なんてどう聴いたっていいじゃねえか」というジャンクのマスター的心境に落ち着いている訳ですが、いつだかマッピー嬢が「ジャズって何から聴けばいいんですか?」という初々しい問いかけに対して同様に回答してしまうのはあまりにも前提条件吹っ飛ばしすぎになるので、ここのページを紹介します。
 ほぼ日刊イトイ新聞 - はじめてのJAZZ。
ほぼ日の企画で二年前に行われたジャズのライブ&トークの模様を紹介したページです。糸井重里タモリ山下洋輔という、ある種最強の三人による「はじめてのジャズ」。こういう文章を前もって読んでいたら、少しは構えずにジャズを聴けるかも知れません。文章長いですが、お楽しみ下さい。