日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

札幌交響楽団第502回定期演奏会を聴いてきた

この土日を札幌で過ごした。芸術鑑賞ツアーなる事業の、まあ添乗員としてである。参加者は当日ひとり欠席のため13人。全員、リピーターである。ありがたいありがたい。
毎年一度この企画を実施しているのだが、三年続けてコンサートホールkitaraということもあって、参加者はちょっと飽きちゃったかも知れない。でも、だ。この定期演奏会は、良かった。
指揮者にサー・ネヴィル・マリナーを迎え、まず最初はベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Concerto for violin and orchestra op.61 D major」でスタート。ヴァイオリンソロ奏者はアラベラ・美歩・シュタインバッハー。これがまた、凄かった。どうしてそういう音が出るの?といわんばかりに超絶な演奏を見せてくれた。アンコールで弾いたソロなんて、寒けがするぐらい凄かった。
ただしここでの札響の演奏は「あれ、何か薄くね?」という感じで、きっとこれはヴァイオリン・ソロを引き立てるためだったような気がする。そう思うのは、次のメンデルスゾーン交響曲 第3番 イ短調スコットランド』 Symphony no.3 op.56 A minor“Scottish”」を聴いたからだ。これが、良かった。凄く良かった。
パンフレットを読むと、ベートーヴェンの解説の三倍ぐらいメンデルスゾーンの方が長い。札響としては、こちらの方に力を置いていたのかも知れない。まず、ベートーヴェンと比較して音が厚い、濃い。演奏者の構成を変えて人数を増やしているせいかも知らんが、冒頭から前へ前へ前へ前へと音が来る。奏者が一丸となって音を出すっていうのは、こういうものなんだなぁ、と思わされた。
まあ、クラシックの生演奏なんてそんなに回数聴いた事がないので、もっともっと凄い演奏があるんだろう、とは思う。でもこの感動が、次の感動をはかる基準点になるのだろう。