日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

冬が来たのだ

ヒムズ・オブ・ザ・フォーティーナインス・パラレル

ヒムズ・オブ・ザ・フォーティーナインス・パラレル

昨日ぐらいから、根雪になりそうな雪が降り始めている。朝になって晴れれば、また溶けちゃうかも知れないのだけど、それでも昨日見た雪には「もう冬だな」と思わせるものがあった。何と云うか、もう判を押すしかない決裁書類を見たような気分だ。
裏庭に積んであった薪をストーブにくべるが如く、このCDをプレーヤーのトレイに載せる季節がやって来た訳だ。
1曲目"After the Gorld Rush"のベースが鳴りだすと、薪ストーブを前にしたような暗い暖かさと、終ったものたち、過ぎ去ったものたちへの回想が部屋を充たしはじめる。アコースティックでシンプルなアレンジ、k.d.ラングの深い声は、降り積もった雪の優しさで、スピーカーの前のおれを包みこむ。音の良さはやはりノンサッチというレーベルによるものか。忘れるしかないようなものを思い出させる優れた歌曲は、みなカナダ出身のアーティストによるもので、個人的にはレナード・コーエンの"Hallelujah""Bird on a Wire"、そしてニール・ヤング"After the Gold Rush""Helpless"が良い。
冬が終るまで、何度かまた聴く事になるだろう。