日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

最近聴いたアルバムと旭川で買ってきたアルバムを紹介します

二時間かけて書いていた文章があっと言う間に消えました…嗚呼

不意打ち

不意打ち

畏友アメリア氏が編集したCD-Rに収録されていた、このアルバムの一曲「ピアノ」*1を聴いて胸を突かれ、どうしても自宅でこの曲が聴きたくて買った一枚。宮村優子というのは今更説明するまでもないかも知れないが声優さんで、一応最後まで聴いた中でお勧めはこの「ピアノ」と、大貫妙子の曲として有名な「彼と彼女のソネット」の二曲。買ったのは一年前ぐらいになるが、今でも時折聴いている名曲である。「ピアノ」についての感想は別のサイトに書いたので書き控えるが、やはり文系高校生男女が求めあう場所は放課後の音楽室のピアノの下がベストだろう。次点としては図書室のゼロ分類(百科事典、雑書)の書棚の前か。
80年代のアイドル歌謡を好んだ人間にとって「声優のCD」というのは、その手の名曲佳曲の宝庫ではないかと思うのだが如何だろう。これまたアメリア氏経由なのだが、やはり声優の堀江由衣Love destiny国府田マリ子「雨のちスペシャル」などを聴いた限り、この「声優のCD」というジャンルには、現在のJ-POPではそうそう聴けない甘酸っぱいアイドル歌謡が多そうである。昔に比べれば録音技術もアレンジも格段の進歩を遂げているようにも思えるし、アルバム作りをわかっているスタッフ、加えて声優の歌(もしくはorさらに)声と揃えばこのジャンルのCDにも手を出してみたいのだが……現在その個人的最有力候補は田中理恵*2
Nutcracker (Comp)

Nutcracker (Comp)

季刊「ステレオサウンド」誌で今一番信頼のおける文章を書くひとりが嶋護氏である*3。LP、CD等の録音技術についての造詣が深く、クラシックの優秀録音盤からオルタナティブロックのマイナーレーベルまでを、録音技術(録音哲学と言いたくなる)という同じ評価の俎上に挙げられるセンスを持つのは嶋氏をおいて他にない*4。その嶋氏が同誌に連載中の「オーディオファイルのための管弦楽入門」*5第2回に紹介されていたのが、このゲルギエフ指揮によるチャイコフスキーくるみ割り人形」である。
そもそも聴き馴染のある曲が多く、またバレエ曲だけあって難解な曲も少ないため、クラシックを聴くというよりポピュラー・ミュージックを聴くような気軽さで、CD一枚を久しぶりに最後まで堪能した(もしかしたら、ステレオシステムのレファレンスCDになるかも知れない)。ゲルギエフの指揮はどの曲もどうもテンポが速いようで、加えてドラマチックなまでに音の強弱をつけるので、一枚聞き通すとけっこうお腹一杯になってしまった。ごちそうさまです。
Best of

Best of

もう誰も知らないかも知れないが、イギリスのコメディエンヌだったトレーシー・ウールマンがアメリカへ活動の場を移す前に、イギリスで発表したアルバム「You broke my heart in 17 place」と他シングル曲などを収録したライノ再発ベスト盤。もしかしたら日本でも発売されたのかも知れないが、このアルバムのLPを貸しレコード屋で借りて愛聴していた頃からずっと探していたCD。1960年代のドリーミーなガールズ・ポップスを愛する方にうってつけの一枚である。全英全米でもチャートインした「They don't Know」のプロモーションビデオにポール・マッカートニー御大がヘフナーのベースを持って登場したのを憶えている方もいるかもしれない。音自体はそれほど良い訳じゃないが(高音が耳に痛い)、例えば車の中でふと聴いてしまうと泣けてきそうな曲ばかりでございます。
Shoot Out the Lights

Shoot Out the Lights

今回のジャケ買いの一枚。どうもイギリスの方らしいです。ざっくりした音づくりで、かなりフォーキーな味わい。二曲目「Walking on a wire」が聴いた中ではベスト。音の感触に、ソロアルバムでの鈴木博文なんかを連想してしまいました。ちょっとすぐにはその良さをわからないかもしれません俺には。
コスチューム

コスチューム

これまた「ステレオサウンド」誌上で和田氏が激賞していた一枚。ずっと探していて今回やっと入手出来ました。まだ一曲目しか聴いていないのですが(BGMで聴けるようなものではなさそうなので)、なかなかクオリティが高そうな音でこれから聴くのが楽しみです。


こと音楽に関してだけは、これからもずっと良い「耳」を持ち続けたい。それは、わたしの数少ない矜持である。


*1:この曲の歌詞の最後に「私を抱いた手が奏でるカルマンデュ」というフレーズが出てくるのだが、どなたかこの「カルマンデュ」が何なのか教えていただけないだろうか。ググっても出てこないのだ。

*2:あずまんが大王」のよみと「ちょびっツ」のちぃの声を両方出来るというのは俄に信じ難い。

*3:そのパセティックな文章から蓮實重彦を連想し「もしや蓮實の変名では?」とさえ思ったのだが、最近SACDのフェアに嶋氏本人が登場したというからちょっと驚いた。

*4:2chピュアオーディオ板で評価の高いのは嶋氏と和田博巳氏ぐらいである。両者とも音楽ジャンルを横断した聴きが出来る人である。

*5:この連載は、ひとつの管弦楽を、指揮者が違う三枚のCDを楽譜に沿いながら聴き比べ、それぞれに優れた録音技術、指揮者の楽曲解釈、さらにはオーケストラの楽器配置までも考察する内容である。