日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

ローリン・ヒルと鈴木秀美『音楽に貴賎なし』

The Miseducation of Lauryn Hill

The Miseducation of Lauryn Hill

ご存知の方は激しくご存知だろうローリン・ヒルのアルバム「ミスエデュケーション」です。少しはヒップ・ホップってーのも聴いておかんとと思って、その頃よく目にしたこのアルバムをとりあえず買ってみたんだけど、当時は頭んとこ聴いた時点でもうアウトだったのです。
うっすらと疲れて帰宅して椅子に座り、何と云うか「静かで、しかもビートの利いたヤツ」と思いながら久方ぶりにこのアルバムを聴いてみたんですが、いやー、いいわこれ。こういうことがあるから中古CDを売ることが出来ない、という見本のような体験だった。自慢してしまうがステレオシステムがいいと新しい音楽の扉を開いてくれるのだからたまらない。接点クリニックしたのも正解だと思う♪
今日はじめて気づいたんですけど、このジャケットってアメリカの学校の机なんですね。一曲一曲のリズムがヘヴィで、どの楽器の音も声も渾然となってメッセージを叩きつけてきます。なのに全体のトーンはすっごくクール。いやー、まいりました。おれはヒップ・ホップの良いリスナーでは全然ないけれど、とりあえず食わず嫌いを直すに十分なアルバムでございました。
で、このアルバムを聴きながら「クラシック・ジャーナル」の2004年ベストアルバム選評をつらつらと読み、今聴いてる今日二枚目のアルバムが古楽器奏者で有名な鈴木秀美指揮オーケストラ・リベラ・クラシカ「コンピレーション・シリーズーハイドンNO.3」というのも両極端で素晴らしい。最近は古楽のアルバムに食指が動きやすいんだけど、それは当時の正しい音を求めている訳ではなくて、単純に古楽の音、古楽器の音色が好きだからだ。以前紹介した(と思う)、イタリアの古い歌曲を古楽演奏した平尾雅子のアルバム「信長公ご所望の南蛮音楽 王のパヴァーヌ」がおれにとっての古楽へのスタートだった。元々は季刊「オーディオベーシック」についてきたCDに収録されていたアルバム収録曲「知ってるよ、誰がいい目を見てんのか」の素朴なリズム(というよりビートと言いたい、クラシックと云うよりロマの音楽隊のような跳ねるリズムがノリノリで素晴らしい)と古楽器の音、そして録音の良さにノックアウトされたのがきっかけだった。一時期は毎日必ず聴いていたぐらい好きだった。


ローリン・ヒル鈴木秀美、その両方を聴ける自分が嬉しい。自画自賛。音楽に貴賎なし。