日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

がんばれレコード会社の社員(妄想に語りかける)

あなたたちが入社した時は、愛する音楽を、音楽を愛する人に届けよう、その一翼を担おうと思っていたはずである。
そしてお決まりの「世間の荒波」に揉まれ、上司部下との軋轢等々嗚呼サラリーマンの悲哀を十二分に感じただろう。
それでも今更他に生きていく道がそうある訳じゃなし、おまけに不況とリストラの波は怒濤の如くにあなたの小さなデスクを押し流そうとする。そのデスクにしがみつく事だけが毎日の業務といっていいかも知れない。「誰だって好きで仕事をしている訳じゃない」そう心に呪文を唱えながら、保身し続け胃を痛める事であなたは今の生活を守るのに必死だ。
でもきっとあなたは憶えている、自分の携わった音楽が巷に流れた時の喜びを。通りすがったカラオケボックスの中から、自分の携わった音楽をがなりたてる娘達の声を聞いた時の苦笑を。
思い出したくないかも知れないけれど、その時の喜びを、苦笑を、思い出してほしい。
あなたが届けた音楽によって、どれだけの人が楽しい時間をすごせたのか、この誰にも辛いそれぞれの人生の一瞬の内に。

そして今、あなたがしがみついているレコード会社が、音楽を愛する人たちに何をしているのかを、もう一度考えてほしい。
あんなことしたって、誰も喜ばないよ。

今は口に出せなくても、負けないでね。この戦いは終わった訳じゃないのだから。