昨日も今朝も快晴で、それはもちろん、悪いことではない。ただ昨日の午後、舞台準備にいそしむステージの搬入口から晴れ渡った空を見たときに、こう思ったのだ。これはいったいどういうことだ。つい先週までストーブをつけた朝があったことや、ぐずぐずと冬の匂いが続いていた一連の五月の日々、そしてまだ、払いきれない重税のごとく積もっていた雪、雪、雪たち。そんな景色や時間、季節の表情は、この晴れ渡った6月の空の駐車場にはどこにもない。これはいったいどういうことだ、いったいどこへ消えてしまったのか。
「馬鹿ねあなた、何を言ってるの」と優しい人ならそう言って、くれそうな気がする。