日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

「群盲象を撫でる」というけれど

 ニュースというのはおおよそ断片的なもので、どんなささいな出来事や事件でも、実際には独特のグラデーションがあるものだ。ニュース記事ひとつ読んだだけでわかった気になってはならない……という前提条件の上での話だが。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120414-OYT1T00331.htm

条例案は先月、市が提案したが、市議会で継続審議となった。この日、共産の山中智子市議が、24区長や局長など幹部の公募制が条例案に盛り込まれていることについて、「側近政治ではないか」と質問したところ、橋下市長は「(職員が)市長の顔色をうかがわなくて、誰の顔をうかがうんですか」と反論した。

 伺える思想信条はまあ棚上げするにして、本当に記者達のいる前で「市長の顔色をうかがわなくて、誰の顔をうかがうんですか」などと言ったのだろうか。まあ橋下氏にしてみれば共産党議員なんか鼻くそ同然だろうから、冗談めかして言うっていうのはアリだな。アリだけどまあ……よく言えるなぁ、これだけ注目浴びている人が。何というかブログの「炎上商法」という感じである。
 ツイッターでの発言があまりに(そして常に)インテリジェンスに欠けるので好きになれないキャラクターだったのだが、それでも大阪市をその辣腕で変えていくのならそれはそれでいいんでしょうなぁ、と思ってましたが……それもどんなものか。教師が君が代を歌っているかどうかその口元をチェックしてご注進した校長を当然とするお人柄なので。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/363878.html
 私はテレビドラマの倉本作品をまるで知らない。知っているのは「北の国から〜初恋」ぐらいで(あれは良かったよ、ヒロイン役の横山めぐみは非常にエッチくて良かった)、後は見た事があるかも知れないが思い出せない。そして富良野塾の作品としては「今日、悲別で」を実家そばの文化ホールで観た。CMでもお馴染だったスローモーションシーンなど、どこか映像的な演出を好まれる倉本氏だが私の趣味ではなかった。
 ……氏にとってはもしかすると被災地で上演することで「現地の方に何らかの役に立てば」という思いがあるのかも知れない。しかし単純にいま被災地の方はこういう舞台を観たいのかしら、いやわからないけど。いらぬ説教を演説するような舞台になれば(前作舞台「帰國」がそうだったと聞いているので)、ことと次第によってはその名を汚すことさえありえるのでは、などと思ってしまう。福島の方に「余計なお世話だよ」と思われない事を(勝手ながら)祈らずにはいられないニュースではあった。