日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

すべての音楽を肯定する世界としてのピュア・オーディオに向かって

小寺氏つながりという訳ではないが、前々からヒロクロに紹介したいなぁと思っていたイベントだったので。
my-musicstyle ♪音楽のナカミとカタチの情報サイト
http://blogmag.ascii.jp/kodera/2008/08/22124101.html
オーディオ業界に3日で絶望した男が業界を救う話 (1/3) - ITmedia NEWS
北海道の寒村暮らし故、オーディオ・イベントというものに一度も足を運んだ事がないのだが、それがマニア限定の閉鎖的空間なんだろうなぁという偏見程度は持っている。それぐらい今のピュア・オーディオ業界のお偉いさん方はiPodをはじめ今のカジュアルな音の楽しみ方を否定していらっしゃる。何せ「システム全体で10万円以下の場合、趣味性を満足する事は出来ない」と豪語する方もいらっしゃるのだからして菅野御大。
まあその気持ちはよくわかります。この前久しぶりにヤマダ電機に言ってミニコンポを色々聴いてきたが、ラジカセ程度の音に低音追加したようなぺらぺらな音に悲しくなってしまった。ちょっとかっこいいパイオニアの“Z Series”なんかかっこいいだけに悲しさもひとしおだった。デノンのプリメイン・CDプレーヤーの最小セットがやはり一番音が良かったのがくじけそうな心の支えになったのだが、中高生ならまだしも、いい大人はミニコンポなんかで満足しないでほしい本当に。あんなミニコンポ買うならBOSSの一体型CDプレーヤー&ラジオチューナー"Wave Music System"の方が千倍いいぞ。本当にBOZEは小型スピーカー系は天下一品である。
今のオーディオ業界を自動車のそれに喩えると、安い軽自動車とスーパーカーしかないような状態だ。そりゃ一台に100万200万も出せばいい音はするだろうし出なければ犯罪ですらある。しかしこの手のスーパーカー的オーディオ機器は使いこなしが何より求められる故(なのだそうである)、おいそれといい音なんか出してくれない。だから美音が奏でられた時の感動もまたひとしおな訳である。だからこその趣味性だというのはごもっともなのだが、いつか俺がオーディオ・クロック・ジェネレーター(確か100万越え)の音の良さに感動していた時、横にいたオーディオファンが「そりゃ100万以上出すんだからいい音しないと困るよ」と口にした時、俺はオーディオマニアへの一線をかろうじて越えずに済んだのだった(いやもうアンタ一線越えてます、という意見もあるでしょう、わかります)。
どうも結局オーディオ評論家の発言は「いい音聴きたいなら高いの買いなさい」という至極資本主義的な発言に収れんしてしまっていけない。物事には順序というか階梯というものがあるのだから、いい音で聴きたい!というピュアな初心をくず折るようなオーディオ評論家の物言いとありえない値段設定は、相手を見てから言っていただきたい。まあただCD以降、暮らしの中で音楽があまりに消費財的に流通している現状はある。
で、かなり前置きが長くなったが【my-musicstyle ♪音楽のナカミとカタチの情報サイト】である。当日の様子は小寺氏のレポートを読んでいただきたいのだが、こういったカジュアルな(それは音楽が消費財的に扱われている現状の一側面でもある)楽しみを否定しないでピュア・オーディオへの橋渡しをするイベントは、もっともっと行われてほしい。けっこうなメーカーが出品しているのだが、やはりここにこそ日本オーディオ界の雄"Accuphase"が参加しなくてはならないと思う。そしてこの企画こそ和田博巳氏にとりあげていただきたいし、ステサン別冊BeatSoundが取り上げなくて一体どうするのだ、と切実に思うのである。