日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

語るように歌われる唄が

ゲッツ/ジルベルト

ゲッツ/ジルベルト

美しきボサノヴァのミューズ

美しきボサノヴァのミューズ

ここしばらく、今週日曜日の事業の準備に追われて、疲れている。おまけに昨日は31日だというのに新年会で、大して飲んでもいないのに、疲れが今もまだ残っている。一次会で出された葡萄を食べながら、その甘さに助けられつつ、この文章を書いております。最近はとみにヨーグルトが美味しい。疲れている証拠だ。
そんな時には、正直、どんな音楽を聴くのも億劫になってしまう。ただのピアノトリオの音でさえ、体力がついていかないのだ……こういう時は、ボサノヴァが一番しっくり来る。
この二枚とも超有名盤なので、今更紹介するまでもなくご存知だろうが、スタンゲッツの方はそれほどピンと来ていなかったのだ。音楽によって引き起こされる感情、そんな思いの落ち着き先が見つけられなかったというか、適当な抽斗がなかったのである。
歌とか音楽が発生する場所というのは、日常の感情が少し背伸びした、大袈裟に言えば非日常の空間なのだろうけど、もっと日常的でさりげない場所から、ボサノヴァは届けられる。おしゃべりのように歌は語られ、音は普段着のように鳴らされる。日陰で口にする冷たい水のように、音楽は何の味も色も足されないまま、喉をうるおす。そういった音を疲れた身体は喜んで吸収するようだ。
このCDはオノ・セイゲンによるリマスタリング盤です。もしこれからこのCDを聴いてみたいと思ったら、絶対に紙ジャケット盤かSACDを買って下さい。