日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

とりあえず見たかったものを見た

麻薬を止められないジャンキーのごとく、今週はツタヤで借りてきたDVDを見まくってしまった。長短含めて、こんなに映像作品を見たのは久しぶりだった。

イノセンス スタンダード版 [DVD]

イノセンス スタンダード版 [DVD]

この二作はレンタルではなくて自分の持ち物である。どちらも一度見ただけでお腹いっぱいになる大作だが、特に「イノセンス」はパソコンの小さい画面ではわからなかった過剰ともいえる情報量を確認出来て良かった。しかしこの映画を「売ろう!」としたスタジオ・ジブリのプロデューサー鈴木氏は、よくよく運のないというか何というか、さすがにあの「天使のたまご」のプロデューサーを買って出た方である。もう一枚の「キル・ビル」の面白さは、まだまだ賞味期限は切れていないと思う。特にあの青葉屋のシーンなど、暴力と流血のディスコティックである。グロテスクというにはユーモアが勝っているので、俺なんかクスクス笑いながら見てしまう。
永遠のモータウン [DVD]

永遠のモータウン [DVD]

これは以前にも紹介したDVDで、音楽ソフトをサラウンドシステムで聴きたかったので借りてみた。こんなことを云うのも何だが、出てきた音がうちのステレオシステムよりしょぼくって良かった。もし5.1chとはいえ2万前後のスピーカーと中古のAVアンプの音がセットで30万円近くつぎ込んだシステムを凌駕してたらどうしよう…と内心心配だったのだ。つまらない心配をするものである。確かにマルチ・チャンネルの気持ち良さはあるのだが、純粋に音だけを聴くならやっぱりステレオの方が断然いい。いやー、ファンタジーにどうこう云っても仕方がない。とてもきれいな映像ではあるが、二十代でさえなくなったオヤジにこのアニメをどうこういう資格なぞないように思える。「こういうのを“セカイ系”っていうんだろうなぁ」などと、時折こそばゆくなるシーンなどを見ながらため息をついていた。しかしファンタジーとはいえ舞台が青森ならば、登場人物には是非とも青森弁をしゃべってほしかったとオジサンは思う。それとも青森という地方でさえ均質化してしまったという含意でもあるとでもいうのか。ようするにファンタジーなのか。深読みにすぎるか。これなら「惑星大怪獣ネガドン」(是非予告編をご覧下さい)を見てみたいのだった。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 01 [DVD]

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 01 [DVD]

一番安心して見られるテレビ番組といえば、おれの場合アニメである。とはいえ“二人はプリキュア”を見るならオジサンとしては攻殻機動隊を喜んで見る訳だが、前回のシリーズが「笑い男」というネット・デジタル社会という「現代」をターゲットにしたとすれば、今回は日本という社会そのものをターゲットにしているようだ。何せ今回のストーリーに重要な役割を果たす難民を「招慰難民(しょういなんみん)」とネーミングしたあたりに含み笑いを禁じえない。おわかりだと思うがこの呼び名は、戦後戦地から帰国した負傷した軍人「傷痍軍人」から来ている。しかもこの「招慰」という呼び方が、安価な労働力として難民を受け入れている癖に表向き「招待して来ていただいている」から、というのだからエグイ。おまけに総理大臣の名前は「茅葺(かやぶき)」である。どういう物語を以降続けるのか、楽しみにしたいと思う。しかし第二話の絵はちょっとぬるかったよなあ……
タイガー & ドラゴン DVD-BOX

タイガー & ドラゴン DVD-BOX

各話毎のDVDがないのだか扱ってないのだか絶版なのだかは知らないが、アマゾンにはこのボックスセットしかなかった。おれが見たのは第一話「芝浜」第二話「饅頭怖い」の収められた一枚目である。この手のネタはid:doukyonindayさんの「同居人日和」なんかの独壇場なんですが(ジャニーズ系だし)、ほとんどテレビドラマなぞ見ない俺なんかにも楽しめる作品だった。これも続きを借りよう。
俺にとってテレビドラマというのは朝出勤前に時計がわりにつけている連続テレビ小説ぐらいなので、テレビドラマから「今の空気」を感じとる事など相当まれなんだけど、このドラマはその「今の空気」を感じさせてくれた。主役の長瀬智也岡田准一もいいのだけど、まわりの役者もいい。「電車男」ですこぶるつきの仕上がりを見せてくれた伊東美咲のバカっぷりも素晴らしいが、落語の師匠:西田敏行の奥さんが銀粉蝶ってあたりがうなってしまう。何と云うか、昔見たTBSドラマの「時間ですよ」とか「ムー一族」とかを思い出させてくれる出来だった。かなり気に入りました、ええ。テレビ番組見て笑ったのなんて久しぶりだ。