日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

懐かしい話

*「http://www.ansible.jp/interview_01.html
はてなダイアリーに「海難記」を掲載している仲俣暁生氏と雑誌ニュータイプの矢野編集長の対談である。80年代に若い時間を費やした者たち、ようするに自分と同世代の会話を読みながら、俺はきっと当時こういった会話をしたかったのだろうし、今もしたいんだろうな、と思いながら懐かしい気持ちとなった。
この対談の中心的な話題となっているのは橋本治なのだが、読みながら思い出していたのは呉智英のことだった。
80年代当時、今何と云えばいいのか知らないが「ニューアカブーム」というのがあって、浅田彰中沢新一蓮實重彦柄谷行人などが書いた難解な思想書等がもてはやされた。けれどもそれらの言葉を理解出来たのはそう多くはない人たちであって、彼らの言葉を読み、また読もうとした者たちの内、おそらくは少なくない数の若者は、やはり彼らの言葉から「人生」の意味や意義を探そうとしていたと思う。けれども、そういった「痛い」問いかけに応えてくれたのは、彼らではなく、橋本治呉智英だったと思う。
思想家としての橋本治とその影響を述べるのなら、個人的には呉智英とその影響もまた話してほしい(例えば浅羽通明大月隆寛小谷野敦宮崎哲弥坪内祐三などは呉智英の影響圏にいるものと思われる)、というのがこの対談を懐かしく読み終えた、もう若いとは云えない人間からの一言である。