日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

Every Voice are over the border.

ユッスー・ンドゥール「ナッシングス・イン・ヴェイン」
発売日 2003/01/22
売り上げランキング 4,974
おすすめ平均
進化としての原点回帰...
人類希望の星...
すばらしいCD!!

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ある作品が心を打つのは、その作品を成立させる文化が、その人の内にあるからだという。けれども音楽は(その音に込められたメッセージ、言葉で翻訳されやすい部分はさておき)文化や国の境界を越えて人の胸を打つような気がする。いや、正確に言えば、音楽と云うより、その歌声が。
ワールド・ミュージックには不案内なおいらがこのアルバムを買ったのは、まぁその名前は知っていたのと、このアルバム評が良かったのをどこかで読んだからだ。
まずジャケットがすこぶるいい。廃虚のような町の通りでサッカー(というよりサッカーごっこだな)に興ずる子ども達の写真、この子ども達が遊び興ずるその瞬間は普遍的で永遠だ。いつの時代も、どの時代の、どこの文明でもあっただろうし、今もこれからもある世界。この写真から、自らの子ども時代を、というより、その瞬間を生きた自分を想起できるなら、その瞬間の昂揚を音にしたのがこのアルバムだと言いたい。ブックレットも豪華で嬉しい限りだ。
TSUTAYA で CD を物色するのに嬉しいのは試聴機があることだ。おいらは3曲目「リ・マ・ウェース〜私の過去」を聴いた瞬間に買う事を決めた。イントロの女性コーラス、その声の力強さは、アフリカがどうこうとかそういう意味を飛び越えて、胸を鷲づかみしてそのまま抱きしめてくれる。
そうなんだね、その声はおいらが難癖つけたがる「ワールド・ミュージック」に関する様々な偏見をいっぺんに吹っ飛ばしてくれた、まるで一目惚れのように(実際の経験はあまりないが)。この声を、この音を評して「癒し系」なんて言う奴ぁおらぁ信じないよ。そんなにやわな音じゃない。ポリリズム、っていうのだっけ? そのリズムと声、音を聴いている内に、じわじわと胸が発熱してくることうけあいです。歌の内容が教訓的だったりするのは、いつものおいらなら毛嫌いするものなんだけど、歌をただ「音楽」として楽しめる世界の人間と、歌をいつも自らの人生に折り込んで体験する世界の人間、どちらが「普通」なのかと逆に考えてしまった次第。そいでもってオーディオファンにも納得の高音質と来た日にゃあ買うしかありませんよ姉さん! まぁいいから買え(笑)。