日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

プラネタリウムへ行こう

 おはよう。昨日は何をしてた? 俺はプラネタリウムに行ってきたよ。いいだろ。仕事だったんだけどね。
 北見市北網圏文化センターにはプラネタリウムがある。最初に見たのは北見の夏の星座だったよ。その次に見たのが「全天周映像 HAYABUSA BACK TO THE EARTH」だった。そうそう、小惑星イトカワを目指して旅立った小惑星探査機「はやぶさ」の帰還までを描いた、プラネタリウム専用の映像作品。何であんなに感動したんだろう。見終わった後に少し、目尻がうるんでいて、恥ずかしかった。
はやぶさ」のことは、君ならよく知っているだろう。地球への帰還を目前にした時の熱狂ぶりもまだ記憶に新しい。あの時は「はやぶさ」の擬人化が過ぎたり、何かと感情過多な報道には辟易しなかった訳ではないけれど、昨日はそんなことも忘れて、眼前に広がる美しい映像と音楽に心を奪われてしまった。
 もしかして同じ映像を映画館で観ていたら、これほど感動しなかったも知れない。プラネタリウムで見る映像の巨大さは圧倒的で、それは観賞というよりも体験に近かった。小惑星イトカワ」へ向けて20億キロの果てしない旅をする「はやぶさ」に同期してしまったのかも知れない。
 地上の孤独と虚空の孤独がかりそめにシンクロする。天空を模した半円のもとで。
 ねえ、星を見る時は誰もがひとりだ。そう思わないか? その目に映る星も人工衛星も、宇宙にうかぶ孤独な光点のひとつには変わらない。無数の光点はそれぞれの故郷を目指して、夜空に真白い弧を描いていく。そんな無数の弧を連ねて描いた半円を、ぼくたちはプラネタリウムと呼ぶんだ。
 いつか、プラネタリウムへ行こう。