文字は言葉を越えられない、と思った瞬間
ザ・ブルーハーツ、クロマニヨンズのヴォーカルの甲本ヒロトが、小島慶子のキラ☆キラに出演した。その時の会話の一部がポッドキャストで聞けるようになっている。忙しいあなたのためにほんの一部を紹介するけど、それで甲本ヒロトという天才の何ものも、すくいとることなんて出来ないのだ。
博士 太ったらどうする?とかって俺が言うのよ。
小島 ああ今とてもスリムですものね。
博士 痩せてるからロックじゃん?とかって言ったら「そんなことない、
太ってたら太ったままでロックなんだ」って。
甲本 スタイルとかね、そんなの関係ないですよ。目に見えるものやね、
表面的なものはね、どうでもよくて。やっぱ結局表現ってさ、お
笑いでもなんでもそうだけど、心からはじまって心に伝わるもの
だから、見た目の太っているとか、それから音楽のこんな感じ、
耳に聞こえてくる感じ、それは全部途中の媒体なんです。心から
心なんです……心から、心なんです!
なので忙しいだろうけどこのポッドキャストをあなたは聞くべきだ。そこには、こんな陳腐といってもいい当たり前ど真ん中な表現論が、それこそ心に届く様にヒロトの口から語られている。
文字でこの「言葉」を写し取るなんて出来っこない、と心底思わされたのはこれが初めてだった。