2008-01-23 「みずえのために」 感情生活 タイトルを考えるのは楽しい。最後のシーンも冒頭さえ何も出来上がっていないのに、タイトルを決めただけで、それだけでもう長い物語がここにあるような気がしてくる。 “…のために”というタイトルはすでにどこかしら物悲しい。昔読んだ李恢成の「伽倻子のために」のイメージが強いせいかも知れない。粗筋さえ思い出せないのに。ただ、ようするに、誰かのために献身的であることがすでに悲しいのだろう。 みずえとは誰なのか、俺は知らない。少なくとも今は。 いつか、僕たちは語り出すだろう。水晶の言葉をもって。