日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

Theater Voiceへ行きましょう

道内の地方都市にミニ・シアターが存続し続けるのはほとんど奇跡といってもいい。それはたぶん、札幌あたりでも状況はそう変らないのだと思う。旭川なんてどうなんだろう。そんな風に思っていたから、車で1時間ほどの北見市に"Theater Voice"というミニ・シアターがあり、それが3年近く上映を続けていたのだなんて、全然知らなかった。

*「コミュニティシネマきたみ」シアターボイス
シアターボイスは特定非営利活動法人「コミュニティシネマきたみ」が運営する映画館です。映画を愛し、楽しみたい皆様のために多くのご意見を伺いながら、よりよい映画を上映することを目的として誕生しました。
 住所:北見市大通り西2丁目1番地(祭日以外、毎週火曜日休映) コミュニティプラザパラボ6階(まちづくり北見大通りビル)
 電話:0157-31-3600(代)内線1630


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どういう人たちが運営しているのか知らないが本当にありがとう。まさか北見で「ヤング@ハート」「シャイン・ザ・ライト」が観れるなんて、思いもよらなかった。どちらもシネコンでは絶対に観られない映画だし、あの名監督スコセッシの作品だのに「シャイン・ザ・ライト」の道内封切り館は札幌のキノだけだった。そうだよねぇ〜。そもそもどっちもキノ臭い匂いのする映画である。いい映画なんだけど。

町山智浩氏のブログポッドキャストで知り、観たくて観たくてたまらなかった映画のひとつ。この日の麗しい出来事は以前書いたが、特別ロックが好きでもない(というか嫌いな)じじばばの歌わされる姿が、何故にこうして輝いて見えるのか。刑務所の慰問公演のシーンなど涙が出そうなほど感動的であった。何というか、福祉関係者にこそ観てほしい映画のひとつ(だから量産型ザク君はDVDを借りて観なさい)。品の良さ気な黒人のばあさんがジェイムス・ブラウンをシャウトするシーンも素晴しい。ゲラゲラ笑った。

これも以前「観たい観たい」と待望していた映画だったのはフロッピー様もよくご存知のことですが、この作品が上映リストに上がっていた段階で私はシアターボイスを褒めない訳にはいかなくなった。おまけにスタッフブログがここはてなダイアリーだというのだから、こちらの愛情も濃くなってしまう*1
ミックから公演当日のプレイリスト(曲順ですね)が出ずにやきもきするスコセッシとスタッフを描いた冒頭シーンが30分ほどテンポ良く進んで、その後はもうコンサート会場にいっきに突入する訳ですが、いやー映画観たというよりライブ行ったって感じでしたね。しかし実は一番かっこいいのはゲストのバディ・ガイのシーン! もうね、俺は今年絶対バディ・ガイのアルバム買うよ絶対。しかしブルースがわかるっていうのは民謡がわかるのにちょっと近い気がするわかるっていうと何か頭で理解してるっぽいんだけど。いや最近訳あって江差追分を軽くちゃらっと聞いたのだが、やっぱいいですねいいものはいいです。でも民謡には腰を振るようなリズムがないのよねぇ……ブルースの“下司さ”って大事ですよね生きた音楽には。そこいらへんは沖縄民謡の方が何十歩も先を進んでいるんだが、地域芸能古典芸能に留まっている限り民謡は“わしらの唄”にはならないよなぁ。


そして、何年ぶりかで一人で映画を観た。

*1:ですから観にいったその日に会員になりましたよ。年会費1,000円で当日通常1,500円のチケットが1,000円になるのだ。元取れるじゃないか完璧に。しかも会員になれば、いっしょに見にきた非会員も2人まで会員料金で観れるのだ。誘いやすいことこの上ない