日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

そんなに僕は頭が良くない

*はてなダイアリ「はてなダイアリー始めました。」3月6日「全頭検査が何故必要ないか」
*「書評:福岡伸一「もう牛を食べても安心か」(文春新書)」群馬大学中澤港助教授

この二つのページを読んで理解出来たのは、

  1. 狂牛病の原因はまだ完全にはわかっていないし、20ヶ月未満でも発病する場合もあるのだから、現在の検出法では検出限界以下になってしまって検出できない可能性が高い。
  2. しかし「検出出来ないのだからこの検査はやめよう」という食品安全委員会提言は間違っていて,むしろ検出感度の高い方法を開発するという方向にいかねばならない
  3. けれどもその考えは、資源が無限にあって,新興感染症がnvCJDだけならばの話である。
  4. 現実には資源は有限だし,多くの新興感染症は,たとえばエイズとか薬剤耐性結核とかMRSA感染みたいな,nvCJDよりもよほど感染力が強い新興感染症への対策と,どちらを優先して進めるべきかという意思決定をしなくてはならない。

それは確かにそうかも知れない、とは思う。ようするに全頭検査をしてもしなくても、現段階において、牛肉を食べることで狂牛病になるかどうかはわからない、という結論なのだろう。
頭ではそう理解はできても、でもことが食物だけに「でもやっぱり全頭検査止めても大丈夫なのだろうか…?」というぐずぐずした不安はぬぐえない訳である。
ただ、そのぬぐえない不安とは別に、このサイトの文章を読んでいて「なるほど」と納得したのが次の一文。

さて、結局、この全頭検査の問題には、どう対処すればいいのかと言えば、安井、中澤両氏とも「全頭検査はとりやめるが、米国産牛肉の輸入解禁は待て」というのが最善の策と考えているようだ。僕自身も、BSEの問題は、全頭検査をやめる=米国産牛肉の輸入解禁という図式が出来上がっており、そういう意味で全頭検査の継続に固執していたが、それこそ、何が危険かを冷静に考えてみるべきなのだろう。実際、アメリカのBSE検査は相当に眉唾もののようだ。
(「はてなダイアリー初めました。」より引用)

この「全頭検査をやめる=米国産牛肉の輸入解禁という図式」は、それ自体を疑うことなく一般に流通した考え方で、もちろん僕もその考え方に囚われていた。こういう図式が提示され流布したのは意図的なものだったのだろうか? そもそもアメリカのBSE検査というものがかなり怪しいという話は次の一文。

2004年度に食肉加工され、一般食品や飼料向けに供給された3,600万頭の牛の内、検査されたのは17万6,468頭に過ぎない。少なくとも、都会的な“クイック検査”により狂牛病感染の可能性があると診断された3頭に関しても、米国農務省は、詳細検査の結果感染を否定している。しかし、政府による検査は非公開で行われているため、疑わしいものである。独立した科学者や研究所による検査は全て拒否されている。農務省が狂牛病感染の可能性について警告するたびに食肉市場は大混乱に陥るので、業界団体は政府に感染疑惑について一切発表しないよう圧力をかけている。
(「はてなダイアリー初めました。」内の「暗いニュースリンク」を引用)

…………はぅ。
結局は消費者たるこちら側が、様々な情報を収集判断してリスク管理をしなきゃならんという訳なんだが、そりゃあ頭いい人たちの言ってる事は正論なんでなーんも言い返せないのだけど、いや俺そんなに頭良くないんだよなぁ………。
だもので無知蒙昧なあたしとしては「とりあえず全頭検査してね」という安易で考えなしの方向を強く支持したい訳だ。訳なんだけど、もう出来ませんよこんな文章読んでしまった日にやぁ。まったく、知識増やすのも良し悪しである。
とりあえず輸入解禁になってもアメリカ産の牛はしばらくは喰わない方が心に平安がありそうだというのが落とし所と言えましょうか(笑)。そんでもってもしニュージーランド産だかの牛肉食べて狂牛病になった日にゃあもうあなたあたしゃ……
……生きているってただそれだけで奇跡なのね。今一瞬だけ俺そう思えたよママン♪
 
たくさんのコメントをいただいたので返事かわりに追記します。
*NHK“週刊こどもニュース”の「今週のわからん:狂牛病とは」
*池田正行「全頭検査の正しい知識」
Googleで「狂牛病とは」と検索しただけで、とりあえずこれだけの情報が得られるのだから、安易に怖がるよりまずは調べてみぃ、という話ではある。少し反省しました。
そもそも全頭検査が万全という神話が成り立っているというのが問題なんだね。神話化の原因として「全頭検査」→「すべての牛を」という言葉の響きに、我々が幻惑されたのではないかと個人的には思う(検査を施行する側に幻惑させる意図があったのか)。で、国も関係機関もマスコミも、その神話をいまさら壊せないという情けなさを痛感すべきかも知れない。

一方,なぜ日本で全頭検査をやっているかというと、国民の間に1で指摘したような誤解があるからだ。つまり全頭検査をやればBSE牛は全部見つかると思い込んでしまっているから。日本国民は全頭検査で”偽の安心”を買わされていることになる。その値段が、これまでの全頭検査の経費100億円になっている。こういう弱みがあるから、米帝から馬鹿呼ばわりされる。では、この誤解はどうして生まれたか?それは、やはりゼロリスク探求症候群だ。癌恐怖症、検診マニアと言い換えればご理解いただけるだろうか。検診をやっていれば、必ず癌を早期発見できて、永遠の命が得られるという妄想だ。
(池田正行「全頭検査の正しい知識」より)

逆に「絶対安全」なんていうあとあと問題になるような意識付けによって、国民を永遠に馬鹿にしておくような行政の“振るまい”(=意図したという意識のないまま行ってしまうことを指して言う)の理由を、自らの馬鹿さ加減に引き寄せて問うべきなのだろう。朝からちょっと勉強になってしまったな(笑)。コメントいただいた皆さんどうもありがとうです。
しかしMR-YOU氏……犬って美味しいんだろうかねぇ(笑)? 食肉用に飼われている肉は美味いのじゃないかと思わないでもないのだけど♪
(3月12日朝追記)