日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

新年あけましておめでとう

 もう今日は1月9日月曜日、新年からもう1週間以上が過ぎてしまった。新年の挨拶は消費期限が早い。今使っても晴れがましさはもうない。
 何にしたって言葉や文章には賞味期限、消費期限がある。
 いやいや早まった、言葉や文章のことじゃなく、扱うネタのことだ。
 新年の挨拶は消費期限が早いけど、今日観てきた映画『この世界の片隅に』の感想であれば消費期限は今しばらくは先だろう。しかし書こう書こうと思って書けずにいる『シン・ゴジラ』の感想を、こういったブログのように表立った場所に書いたところで、それはすでに消費期限切れである。世の中タイミングが大事である。
 それはそれとして、ただ自らのために何事かの感想を書き留めておくことは大切だ。それは端的に生きた証だし、書くことで「思い」は書き手に明示され、そのことが自らを更新していく。
 なのでいつか『この世界の片隅に』も『シン・ゴジラ』も、ここに拙い感想を書くことになるだろう。でも書かれる言葉や文章はいつも「間に合わせ」のものだ。その時その時にわかる範囲できる範囲、知識と想像力の利き腕が伸びるところまでの「間に合わせ」の一品だ。
 そしてそんな現実的な限界とはまた別に、何事かを書き終わった後になって振り返ったとき、その言葉はいつも立ち現れた「思い」の影、シルエット、「思い」そのものというよりはやはり「間に合わせ」でしかない、そんな気がする。
 それでも何か書き表すのなら、賞味期限、消費期限の長い文章を書こう、どんな立場の人にでも届くようなと言葉を書こうと心を砕いていることを、良ければおぼえていてほしい。今年もよろしくお願いします。