日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

言われなくってもメメント・モリ


 いつだったか、買っておいた本「孤独であるためのレッスン (NHKブックス)」をある人に見られて、笑われたことがあった。どうして笑われたのか正直わからないが、もしかしたら「お前それ以上孤独になってどうすんのよw」という笑いだったのかも知れない。
 まあ四十を超えて独身彼女なしなのだから、そう思われても仕方がない。そして「四十を超えて独身彼女なし」男の誰もが孤独な訳ではない、という事実を突きつけられると、もうぐうの音も出ない。けれども、そんなこと以上に自らの孤独に思い至らされるのはメメント・モリ、自らの死を思う時である。最近よく思うようになった。
 もしかするとある日のノーマン・ベーカーも、そんな思いに囚われたのかも知れない。イギリス運輸閣外相であるところのノーマン・ベーカー氏は55歳にして、自らボーカルを務めるバンド "The Reform Club" のデビュー・アルバム "Always Tomorrow" を発表した。

自由民主党Liberal Democrat)所属議員のベーカー閣外相は、ロックバンド「リフォーム・クラブ(Reform Club)」の作詞も手がけるリードボーカル
バンドは数十年前に結成した。これまで30年間、アルバムを制作するかどうか悩んできたが、「死ぬまでにやりたいことリスト」を作成したときに決意したという。「今制作に取り掛かったのは、やるべきだと思ったからだ。くたびれきってしまう前にね。あと10年もすればこうはいかないだろう」
 英国の「ロックンロール大臣」、55歳でアルバムデビュー 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 ベーカー氏もまた今のわたしのように「死を思え」と、いつか心に問いかけられたのかも知れない。そしてわたしもベーカー氏と同じように、頭の片隅にか、それともチラシに裏にでも、いつか「死ぬまでにやりたいことリスト」を手書きする日が来るかも知れない。その時書くリストの最初には、きっとあなたの名前があるだろう。
 じゃ、行ってきます。今日一日の幸運を祈ります。