日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

「夕闇にひとり」という曲

 夕食後、牛のように横になって深夜に目を覚ます。ふいに、高校時代に聞いただろう松任谷由実の「夕闇をひとり」が聞きたくなる。


あのひとのうわさが聞ける街なら 私は流れてゆくわ
冷えそうな心となぐさめのカセットと
淡い口紅ひとつもって
あのひとを愛してくれる女なら 私はたずねてゆくわ
さくらんぼの包みとできるだけ笑顔と
最後の連絡先もって
そしてもう一度 もう一度 私の声にふりむいて
しばらくは夕闇をひとり歩いてるから
あのひとが残していった全てを 私はしまっておくわ
どんなに離れても いつか恋をしても
ときどき抱きしめて泣くでしょう
そしてもう一度 もう一度 私の声にふりむいて
しばらくは夕闇をひとり歩いてるから

そしてもう一度 もう一度 私の声にふりむいて
しばらくは夕闇をひとり歩いてるから
「夕闇をひとり」作詞作曲 松任谷由実

 ユーミンの歌声が優しい。後のどこか金属的な響きを帯びた声の記憶が強いため、こんな風に歌われるとそれだけで心がぐらっ、と揺らいでしまう。こうして聞きたい時に大概の曲が聞けてしまうのだから、やはりコンビニエンスな時代なんだな。
 この曲が、後に原田知世がカヴァーした名曲「守ってあげたい」の次のシングル曲として1981年11月に発売されていることに、少しだけ驚いてしまった。個人的にこの曲は、70年代の曲として記憶されていたからだ。琥珀の記憶はとめどなく溶け合うコーヒーとミルクのようだ。