日曜日の食卓で

とりとめなのない話が書かれていると思います

武雄市図書館の話はどうなったのだろう

 市図書館をTSUTAYAに指定管理委託、図書カードをすべてTカード化、本を借りたらTポイントをつける…といったサービス? をUSTREAMで発表した九州は武雄市・樋渡市長の件ですが、その後いったいどうなったんでしょう。「え、そんな図書館サービス、悪くないじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、そう思ったあなた……図書館を使った事ないでしょ♪ なんでかって言うとね……多分武雄市長も今まであんまり図書館使ったことないんだろうなぁ……
 …こういうアイデアが出て来るその背景にあるのって、まぁ「図書館の本がもっと借りられるようにしたい」ってことだろうけど、その考え方って「本を沢山売る本屋が良い本屋である」っていうのとたぶん同じなんだよね。で、同じだから「図書館の本がもっと借りられるようにするにはどうしたらいい?」「借りたらTポイントがもらえたら利用が増えるよね?」「おお、市民にメリットあるじゃん」って発想になるんだと思うんだ。
 そーゆー実感としての「図書館=本屋」って認識はわかるんだけど、公立図書館本来の存在理由から考えると「図書館=水道システム」なんだよね。公立図書館は住民の学ぶ権利、知る権利を保障する場所で、身分や貧富で差別されず、住民誰もが平等に知識にふれられる場所を地方公共団体が確保するということからも「公立図書館は情報インフラである」と理解してほしい訳ですよ。もちろん図書館はそれだけの場所ではないけれど、先の「図書館=本屋」のままで考えを進めると、今回の武雄市みたいなことになる訳ですよ。
 高木浩光先生からの質問に逆ギレして「借りた本の履歴がどうして個人情報なんだ!」と怒り(どうもこの市長は履歴を元にアマゾンみたいな“リコメンドサービス”みたいのをやりたいらしいのだが、個人を特定しないでどうやってリコメンドするんだ)、ツイッターでは「上司に確認させるぞ」「国会議員に問いただす」とか何とか恫喝まがいの発言を繰り返していた樋渡市長、それで今どうなっているかというと

このほか、雑誌や文具販売への地元同業者の反発、歴史資料収蔵・企画展示室の移転構想への疑問なども対応課題。委託料や改築費用も未定で費用対効果も見通せない。市議会には公募でなく市長判断でCCCを選んだことへの疑問もあり、図書館運営委託問題はさまざまな解決課題を抱えている。
佐賀新聞「波紋広げる武雄市図書館のツタヤ委託計画」より引用

「スピーディーな即断即決」と「横紙破りの俺様経営」は一見して違いがわからないお……この市長の元で働く公僕の皆さまには憐愍の情を抱かずにはいられない。もうすぐです、夜明けはすぐです、きっと。